夢小説
□僕らの過ごす日々
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夜風の跡
スゥー…
寒い。
夜風が体に染み込んだ。
ふと肩に重たいのを感じた。
「壬晴…」
壬晴は頭を宵風の肩に乗して唸った。
「うーん…」
「あ…悪い。起こした。」
「いや…いいよ。」
「…………」
「どうかしたの?宵風」
「…今日は…冷えるから。」
そう言って丁寧に畳んであった毛布を壬晴にかけた。
パサッ
「ん…あったかい。」
宵風は姿勢を崩し寝転んだ。
それと同時に壬晴も。
「あったかいけどさ…」
「…?」
壬晴は宵風の手を握る。
「こうした方がもっとあったかいよ。」
「……うん。」
宵風の髪の毛に手を伸ばす。
クシャクシャ
「 宵風の髪…やわらかいや。」
クシャクシャクシャクシャ
「あ…あまり触るな///」
「なんで?」
「…なんでもだよ。」
宵風は壬晴の肩に手を回し…
「…なに?」
宵風は壬晴に近づけた顔を戻して目を瞑った。
「なんでもないよ。」
「…いや、キスしよーとしたじゃん。」
「してない。」
「した。」
「してない。」
「して。」
「今はしない。」
壬晴はムスッとして俺の胸に顔を押し付けてきた。
今はしないけど、いつか必ず。
今はただ壬晴を抱きしめて居たいから。
今日は冷える。
だけどー…壬晴は暖かくて凄く心地良かった。
―End―