長き旅

□未来と過去と
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「ん…」
一人の女性が布団の中で目覚めようとしていた。
「う……ん……??こ…こ…は…?」
女性は見慣れぬ景色に跳び起きて、辺りを見回した。
【なんて…時代錯誤…私は…確か…?】
女性は必死に記憶を遡る。
【そう…だ…バス…き…京子…】
女性の瞳には涙が溜まっていた。
【だれか…聞かなきゃ】
あの後のことを知りたい女性は、玄関の引き戸を開けた。


【………】
外を見て驚愕の余り声もでなかった。
【着物…腰に刀…?】
女性は踵を返し家の中に戻り、先程まで自分が寝ていた布団の上に座った。




【何かがおかしい…京子を見た後…私は…】
自分の身に何が起こったのかを、全く理解できない女性は頭を抱え考え込んだ。



【私は…あの時、京子のいない世界には、いたくないと願った…それが?】
深いため息を吐き出す女性。
【そもそも此処は何処なの…】
何も知らない場所を出歩くのは危険と判断した女性は、この家の主の帰宅を待つことにした。
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