長き旅
□奇跡と安らぎと
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最近、晋太郎は沖田に気に入られていた。
「林君、今日もいい天気ですね。」
沖田は井戸で汗を流していた晋太郎に声をかけた。
「沖田隊長!何処に居たんですか?稽古が終わってしまいましたよ?」
「うん?終わるのを待っていたんですよ。」
悪びれる様子を見せずサラリとサボり発言をする沖田。
「また…ですか。」
ガクンと肩をうなだれ、ため息を付く晋太郎。
「そんな事より、甘味所に行きましょう!」
そんな晋太郎をよそに目をキラキラさせる沖田。
「一昨日も行きましたよ?誰か他の方を…」
「誰も捕まらないんです…。林君は私と行くのが嫌なんですか?」
キラキラからウルウルに変わる瞳。
「い、行きます!沖田隊長と行けるのは幸せです!」
慌てふためいて沖田に返事をした。
「ふふ林君は行ってくれると思いました!」
ルンルン気分の沖田は晋太郎を急かして先に進んだ。
【だ、騙された。みんなは逃げたな!】
晋太郎は今日も沖田に付き合い甘味所へ行った。