長き旅

□言葉と文化と
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「勿論だ!だから安心してくれ。俺も天涯孤独だから妹が出来た見たいで嬉しいよ。もう…泣かないでいい…笑っていてくれ…」
晋太郎は笑いかけると味噌汁を啜った。
「はい!お兄ちゃん…ありがとう!」
紫蘭は此処に来てから初めて笑顔を見せた。
「笑えるじゃねか。いつも、その笑顔だぞ」
晋太郎は左手で向かいに座る紫蘭の頭をクシャリと撫でた。
「わかった!」
目を細め嬉しそうに晋太郎を見つめた。



「あのさ…後で着替えを…貸して…貰える…?何時までもワンピースじゃ…」
紫蘭は自分が着ているワンピースを摘んで見せた。
「わ…わんぴす?」
晋太郎は初めて聞く言葉に首を傾げた。
「違うよ、ワンピース!未来で着てる服だよ。他にも色々あるけどね」
紫蘭は困り顔をした。
「未来の着物はメリケン語みたいだなぁ。よし!朝餉を食ったら着替えを用意するか。そのままじゃ外に出れんもんな。」
晋太郎は、急いで御飯を掻っ込んだ。
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