長き旅
□運命と微笑みと
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「初めまして。春川紫蘭と申します。」
紫蘭は極上の笑みを浮かべ、沖田に軽く会釈をした。
「ん?」
沖田は紫蘭を見ると不思議そうな顔をした。
「あの…なにか?」
紫蘭は笑みを一転させ不安げに沖田と晋太郎を交互に見た。
「何処かでお会いしたこと…ないですか?」
紫蘭の顔をマジマジと見つめ、首を傾げ腕組みをした。
「…?ないと思いますよ?」
紫蘭は少し考え首を左右に振って困り顔をした。
「そうですか…あ!失礼しました!私は沖田総司と申します。」
「沖田隊長は一番隊の隊長なんだ。」
今まで二人のやり取りをア然と見ていた晋太郎が付け足した。
しばらく3人で話しをしてから甘味所を出た。
紫蘭は2人に別れを告げ帰路に着いた。
【あ!河川敷で見た女性だ!】
沖田は家路に急ぐ紫蘭の後ろ姿を見て、一人スッキリした顔をした。
「沖田隊長、戻りましょうか?」
晋太郎の呼び掛けに沖田は頷き頓所へ帰った。