小説

□走れラドゥ<中>
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ラドゥはその夜、一睡もせず十里の路を急ぎに急いで、村へ到着したのは、翌(あく)る日の午前、陽は既に高く昇って、騎士団員たちは外に出て仕事をはじめていた。

ラドゥの帝国では後輩で塔では先輩のメルキオールも、きょうはラドゥの代りに資料をまとめていた。

よろめいて歩いて来るラドゥの、疲労困憊(こんぱい)の姿を見つけて驚いた。そうして、うるさくラドゥに質問を浴びせた。

「なんでも無いです…」

ラドゥは無理に笑おうと努めた。

「帝国に用事を残して来ました。3日後に戻らなければなりません。」

メルキオールは、困ったような顔をして言った。

「つまり、明日までにこの任務を終わられるてことでしょ?オタク一人じゃ無理だよ。ボクも手伝う。この資料もボクがまとめて置くからオタクはもう休みな」

・・・・ありがとう。

ラドゥは、そう思っいながら一例して、よろよろと歩き出し、部屋に戻って、間もなく床に倒れ伏し、呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった
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