灰色の雲からこぼれる白い欠片。
花火のように弾け、風に踊り舞い上がる。冬の花ビラ。

「キレイだね」
白く曇る窓ガラスを手で拭き、スザクはポツリと呟いた。
「何がだ」
「ルルーシュ、ほら雪だよ雪」
聞き付けてやってきたルルーシュに、スザクは外を指し示す。
「ああ、随分冷えると思ったら…」
「積もるかな?」
雪の降る様を眺めたまま、スザクが傍らのルルーシュに尋ねた。
瞳を輝かせ外を見る横顔は、まるで幼い子供のようで。
ルルーシュはその横顔に、柔らかい笑みを浮かべた。
「さあな。この辺りに雪が降るってだけでも珍しいからな」
ルルーシュの言葉に、スザクはそうだねと寂しげに頷く。
自分達が子供の頃は、この近辺でも雪の降る回数はもっと多かった気がするし、積雪は少ないが積もっていたと思う。気候の変化のせいだが、本当に寂しい事だ。


「…初めて、だよね」
「?」
二人でしばらく黙って外の景色を眺めていたら、スザクの唇からフイに言葉かこぼれ落ちた。
「二人で雪見るの」
意味が解らず、怪訝な顔をするルルーシュを見てスザクは微笑む。

二人が出会ったのは、夏。そして、別れたのも夏。

だから。

「積もったらさ、雪だるまでもつくろうか」
ルルーシュの手に自分のそれを重ね、彼の耳にそっと囁いた。

二人で過ごした、あの僅かな夏の時間。
思い出はいつも、太陽と緑に溢れている。
けど、それだけじゃ足らない。

もっともっと、君との初めてが欲しいから。

「全く、何を言うかと思えば…」
呆れたと言わんばかりに短息したルルーシュだったが、すぐにそれは微苦笑に変わった。
「そんなに積もるわけないだろう?つくれたとしても、せいぜい雪ウサギぐらいだ」
「…そっかな?」
「そうだ」
「じゃあ、雪ウサギでいいや」
スザクは嬉しそうに言い、ルルーシュの肩口に額をすり寄せた。
そんな甘えた仕草に、ルルーシュは幾分、頬を赤らめたが、黙ってその体に寄り添った。


幼い時間は遠く、この手に戻る事はない。けれど、これからの季節を二人で一緒に、時間を重ねて行く事は出来る。
雪はすぐにやんで溶けて消えるけれど、思い出は消えずに降り積もっていくことだろう。

二人いれば、心に降る優しさも愛しさも、止む事はないのだから。







そして、ギャラリーは呟く。

「…二人の世界ねぇ」
「良いんじゃない?こっちに害ないし」
ちなみにここはいつもの生徒会室でございます(笑)







ふ〜たりのために〜♪せぇ〜かいは、あるのぉおお〜♪
お粗末。





…すいません、ラブラブに耐えきれませんでしたm(__)m

小説(学園編)

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