コナン

□お風呂
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「あ〜…久々に神経使って疲れた〜今日は風呂入ってとっとと寝よ…」
なんとか昴=赤井という事を安室に知られずに済み、無事作戦は成功しようやくひと段落付けるとコナンは生あくびをしながらその部屋を後にしようとする。


だが―――

「新一折角だから久々に――」「絶対ヤダ」
看破入れずに父優作の言葉を制止する。

「まだ何も言っていないじゃないか」
「言わなくても分かるっての…誰が父さんと一緒に風呂なんて入るかっての」
「まあそう言わずに」
絶対に嫌だと優作に一番嫌そうな顔をしながら言い放つと部屋を出ようとするのだが、瞬間脇を両手で掴まれ軽々と持ち上げられてしまう。

「小さい新一とまた一緒に風呂に入れるなんて、幼児化っていうのも悪くないな」
「ちょっ!軽々と持ち上げるな、って離せよクソ親父〜!」

はははと笑いながら暴れるコナンを余所に早速風呂場へと向かう優作だった。


そして脱衣所で容赦なくコナンの服を脱がせると小さな息子の身体を脇に抱え風呂場に入る。
コナンは半ば諦めたかのかもう好きにしろと言わんばかりのふてくされた表情をしていた。

「ん?もう暴れないのか新一」
「もうここまできたら暴れるなんて出来ないだろ…どーせこんな体じゃすぐに捕まるしな」

わかってるじゃないかと優作はコナンの頭にシャワーを掛け久しぶりに息子の髪の毛を洗ってあげる。
小さくなっても髪質は変わらず、こんな小さくなっても新一は新一なんだなあと改めて実感する。

「よし、髪の毛も洗い終わったし今度は…」「身体は自分で洗うからそれ以上触るな」

「ええ〜…久しぶりにスベスベの新一の肌に触れると思ったのにな〜」
「さっき髪の毛洗いながらさりげなく触ってただろ!」

ぶつぶつ言いながら自分で素早く身体を洗いそそくさと湯船に浸かる。

お風呂には入浴剤が入っており、白濁の色をしていた。
逆に今はそれがありがたい。お風呂では裸の付き合い、目のやり場に困るしそれに自分の小さな体と優作――父親との圧倒的体格差を惨めに思わずに済むからだ。

優作も身体を洗い湯船に浸かると、目の前にいる息子と一緒にお風呂に入れるのを喜んでいた。

「…なんだよ、ニヤニヤして」
「いや、久方ぶりに親子でお風呂に入れるなんてな。しかも息子は小さくなって以前より可愛くなって…もうパパは嬉しいよー♪」
「あーもう!気持ちわりいな、って顔すりすりするな!ヒゲが当たって痛いっての!」

ヒゲすりすり攻撃をなんとか脱出し、優作と湯船の中で一定距離を置くコナンを余所に離れてしまった事に少し残念がる優作。

だがその表情も急に変わり真剣な物言いに変わる。


「ところで新一、昴くん…あのFBIの人に懐くのはいいがあまり度が過ぎると傷つくのは自分自身だぞ」
「…わーってるよ。そんなこと」

「…の割にはいささか懐きすぎの様だが」
「…っ!」

父の言葉にビクッと反応する。昴さんとは恋人同士でキスからそして夜の事情等々…とても親には言えない事までやっているのだが、今の言葉でもうそれがバレているという事は明らかだった。

「なんで知っているのか?…という顔だな。息子の事くらい分からんでどうする…と言いたいが、さっき髪洗っている時に背中にキスマークがあったからな」
「えっ…!」

慌てて背中を見ようとするが見えるはずもなく、急に恥ずかしくなり湯船に身体を沈める

「あれ程付けないでって言ったのに……」
「息子が好きになった人の事をとやかく言う筋合いはないが、お前が高校生の状態ならまだしも今のお前は小学生の身体、何処まで進んでいるかは聞かないでおくが犯罪沙汰にはなってくれるなよ」

もう犯罪沙汰になっていますと心の中で呟くコナン。
それに背中にキスマークがあった以上優作もそこまで進展しているという事は知っているだろうがあえてそれを咎めないのは放任的主義のせいもあるのだろう。

「まあなんにせよ、お前がそれでいいのならそれ以上咎めないさ」

優作はそう言うと風呂から上がり湯あたりするなよと一言付けたし風呂場にコナンを残してその場を離れる。

コナンは風呂場に1人きりになると大きなため息をつく。

結構広い風呂場で湯船に浸かっていると急に“あの出来事”を思い出してしまった。
(ったく、父さんが変なこと言うから思いだしちまったじゃねーか…)

くそっと小さく呟き首まで湯船に浸かるコナンは少し前の事を思い出していた……
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