無双
□変態オバケさん
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「Happy Birthday 氏康」
「お、おう…ありがとな小太郎。なんだ?急に珍しいじゃねぇか」
今日は氏康の誕生日。昼は甲斐姫や孫堅他の皆から色々な物を貰ったりと結構騒がしかったが夜になると皆帰り一人自室で書物を読んでいた。
「お前にいい物を買ってきてやったぞ…」
小太郎が手にしているそれは丸て白い物だった。
「なんだ?それは」
「異国の菓子だそうだ。誕生日にはこれを食すらしいぞ…」
「異国の菓子ねぇ…もしかして馬岱たちがやっている店で買ったわけじゃねえだろうな?」
「クク…どうかな」
(ああ、図星か…)
馬岱たちの店はいつも如何わしいものばかり売っていて正直マシなものは売ってないんじゃと思ったが、今回の物は別みたいだ。
「まあいいや。せっかくお前からのプレゼントだありがたく貰うぜ。」
そう言うと氏康はその菓子を小太郎に小さく切ってもらい、カットされた菓子をパクリと口に入れる。
甘くて口の中でとけるその菓子は何とも言えない味をしていた。
「美味いな…!この甘さがクセになる」
氏康がその菓子に夢中になるのをみて小太郎は口元を上げる。
一口二口と氏康の口にどんどん入っていく菓子はすぐに切り分けた分を全部平らげてしまう。
もう一個と氏康は残りの菓子に手を伸ばそうとした瞬間身体の異変に気がつく。
「…おい、小太郎もしかしてこの菓子って…」
「ククク…我が有益に成らないことなどやる筈がないだろう?」
しまった…と思っても時すでに遅し。
元々馬岱たちの店で買った時点でマシなものは何一つないのだ。
「この菓子には媚薬をたっぷりと練り込んである…どうだ氏康?」
欲しくてたまらないだろう…?
耳元でそう囁かれ、ビクッと身体が反応する。
「てめぇ…!俺を祝いに来たんじゃねえのかよ…!」
「無論祝いに来たぞ…だが違う意味で祝いに来た…うぬを我無しではイけれない身体にしてやるぞククク…」
その笑いを見て背筋がざわっと寒くなる感覚に囚われる。
氏康はあまり動かない身体を必死で動かしその部屋から去ろうと障子に手を掛けようとした瞬間小太郎が目の前にいた。
瞬間胸座を掴まれ一瞬にして寝室へ連れていかれると、布団に無理やり放り投げられる。
「ってめぇ…いきなりなにしやが……!!」
言葉を最後まで発する時起き上がろうとしたら自分の身体が動かなくなっていた。
「ククク…暴れては面倒だからな。暫くうぬの意志では動けなくさせてもらったぞ…」
「…ほんと悪趣味な奴だなお前は」