7月7日。
最近は地球温暖化の進行が叫ばれていて、とても蒸し暑い。

まだ、蝉はいないけれど






「あ"ーーーーー!!!!!!!」

一人の少年が叫び出す

「うるさぃよ…よけい暑くなる…」

もう一人の少年が静かにいう

「うるさいびょん!!!暑いもんは暑いんら!!!お前そのもっさい帽子取れ!あつくるしいびょん!!」

この蒸し暑さに我慢が効かないのだろう。
ズボンから剥き出しの足をじたばた動かす。

「…骸様が帰ってきたら、アイス食べれるんだから黙っててよ…」

「骸さーん!!!!早く帰ってくるっびょーん!!!」

骸様

今どこにおられるのだろぅ…


2人の少年の気持ちは、骸の帰りを待っていた。





―夕方


「犬、千種、いますか?」

その声に、先程の2人の少年は反応をしめす

「おかえりなさぃ」

千種と呼ばれる少年が返事を返す

「骸さん!どこ行ってたんら!?おそいびょん!!」

犬と呼ばれる少年も返事を返す

骸と呼ばれるもう1人の少年が、クフフと笑う

「ちょっとすることがあったのでね。遅くなってすいません」

「…?何をされてたんですか?」


「きょうは七夕なので…短冊に願いを書きにいっていました」

7月7日

織姫と彦星が、1年に1度だけ会うことのできる日とされている


「いーなー!!オレらも行くびょん千種!!」

「…めんどい」

「いいじゃないですか、千種も一緒に行きましょう」


骸の命令とあらば、といわんばかりに静かに動き出す

「お!行く気になったんらな!!じゃぁ行くびょん!」






「できましたか?」

骸が問う

「できたびょん!これを飾ればいいんら?」

「そうです、千種もできたようですね」

「もう飾りました」

「はやっ!!!」

犬は慌てながら、短冊を笹につるす

「犬は何をお願いしたんですか?」

フフンっと笑い、自慢げに言う

「フルーティーなガムを一年分くださいって書いたびょん!!」

まだまだ子供じみた発想だが、そこはあえてつっこまない

「そうですか。…千種は?」

しばし黙って、静かに喋り出す

「…寝たい」

真顔でいう千種に、呆気をとられる

「なんらよその願い!!つまんねー!」

「でも最近はあまり寝れなかったですもんね。仕方ないです」

千種は自分達の状況を理解したうえで、そう願ったのだろう

骸は思う

まぁ、犬にいたっては何も考えていないようだが。



「あ!骸さんは何をお願いしたんれすか?」

不意に振られ、すこし驚く

「僕ですか?…内緒です」

「えー!!なんれらびょん!!」


「クフフ…さぁ、帰りましょう、もうじき冷え込みます」

騒ぐ犬に、黙ってついていく千種

僕はお前達の未来を祈っただけです

―誰にもいいませんけどね。




(叶わなくとも、一緒にいられたらいいと願う)







あとがき

何で隣町ボーイズ系の話になると蝉が出てくるのだろう…
優しい骸が書けて満足ですw


お詫び

「骸と呼ばれるもう1人の少年が」の所が「骸と呼ばれるもう11人の少年が」になっていました;;
さすがに11人もいたら気持ち悪いな・・・

[TOPへ]
[カスタマイズ]




©フォレストページ