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□全員集合〜車内にて〜
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「わざわざすまないな」

両手に沢山のファイルを手にカガリが車に乗り込もうとした。
話しかけるタイミングをなくしたルナマリアはまた面白くないと感じる。
彼らの乗るリムジンの後部座席は、二つの座席が向かい合っているタイプのものだった。
ひとつに座席に座れるのはゆとりをもって三人まで。

「ほら、アスラン。おまえちょっとつめろよ」

カガリはシン、ルナマリア、アスランが腰かける進行方向を向いている方の席に座ろうと、ドア側にいたアスランの体を押した。
「無理にこっちにのらなくていいじゃないか」
「私は後ろがいいんんだ。こっちのほうがみんなで楽しく話ができるじゃないか」

(向かい合った方が絶対話しやすいと思う)
心の中で突っ込んだルナマリアは不機嫌値が上がっていくのを感じていた。なんでこんなことに…こうなったらラクスさんちで腹十分目食べないと気がすまない。
「…じゃあ俺は反対側に…」
「ちょっと待てっ。今もらってきた資料見ながらお前と話したいんだよ。だから動くな」
こうなってしまってはアスランが引き下がるしかない。
アスランは渋々体を右へとずらし、カガリが座れるようにしてやる。
アスランが移動したことでシンの座るスペースも当然狭くなる。
「なに我儘言ってんだよ、お前…」
シンは文句を言おうとしたが、こうなったカガリは梃子でも動かないことを知っていたので自分も体をずらさざるを得なかった。
「ルナ、ごめん。ちょっとつめるよ」
「えっ…」

座席に四人。なんとか座れないこともなかったが窮屈さを感じる。
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