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□咬んでもいい?
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「…お疲れですね〜」
休憩室の前を通りかかるとシンの後ろ姿が見えた。
ソファーに腰かけてじっと動かないからそーっと近付いて顔を覗きこんだら
うたた寝していた。
ときどき首をかくんとさせて舟をこぐシン。
私が隣にいるのに全く気付く気配がない。
「…………」
いい機会だからシンの顔をじっくり観察することにした。
まつげ長いんだなぁ。
マスカラいらず。
色が白い。
おそらく私より。
それになにより肌が綺麗だ。
こればっかりは生まれつきというか体質というか、シンが好きでこんなのにしてるわけではないと思っても女の子としとはちょっぴり悔しい。
規則正しく上下する胸。
これはほんとに眠ってるよね……。
つんつん。
ほっぺをつついてみた。
「………ん……」
おっ、ちょっと顔をしかめた。
起きるかな……。
「………すー」
駄目か。
シンって寝起き悪いのかな、悪そうだよね。
頭に手を伸ばし、そろそろと撫でてみる。
「髪の毛触っちゃった」
好奇心がどんどん膨らむ。
今の私、すっごい優位な位置にいるよね。
シンは私のお人形状態……。