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□ある朝の出来事
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静かな部屋に乾いた音が木霊する。

まだ夢の世界にまどろんでいたかったが、そうもいかない。
今日も仕事が待っている。

ルナマリアはもぞもぞと布団から顔を出すと、枕元で鳴り響く目覚まし時計を止めた。
時刻を確認して顔を窓側に向けた。
眠りについたのは日付が変わってからだったので、正直言って寝足りない。

カーテンの隙間から朝日が差し込んできて、ルナマリアは目を細める。

気だるげな体を起こし、軽く伸びをして隣に目を向けた。

ベッドには蹲っているような塊が自分のほかにもう一つできていた。
布団の端から漆黒の髪がチラリとのぞいている。

ルナマリアはそれを穏やかな眼差しで見つめると、
彼を起こしてしまわないようにゆっくりとベッドから降りた。
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