Main

□私だけの特効薬
1ページ/9ページ

「うぅ…」

こめかみを押さえてルナマリアは思わず立ち止った。

「なんか、頭いたーい。寒気もするー」

自分の体を抱きしめてふらふらと歩き出すと
メイリンがやってくるのが見えた。

「お姉ちゃん…ん?なんか顔色悪いよ?」

会うなり開口一番にそう言ったメイリンはやはり自分の妹だ。
ずっと一緒に育ってきたから姉のちょっとした異変に気付いたのだろう。

けれどルナマリアはそれを悟られまいと平常心を装う。

「そんなことないわよ?いつもどおり」
「そう?あ、あれ?」
「そうそう、それ」

あれだのそれだの、通じてしまうから女の子はすごい。
ルナマリアは内心ほっとして、今すぐにでも自室のベッドに潜り込もうとその場を立ち去ろうとしたとき、
メイリンに声をかけられた。

「そだ。シンがお姉ちゃんのこと探してたよ。
何か用あるみたいだった」

「え、シンが?」

聞くなりしゃきっと背筋を伸ばし
目を輝かせてルナマリアは駆け出した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ