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□私と彼の禁断症状
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今日は午前中の訓練で終わり。
午後からルナマリアは部屋でごろごろしていた。
時刻は夕刻を過ぎようとしている。
ベッドに寝そべってぼんやりとテレビを見ていた。
一人で出かける気もなく、買ったままで積み上げられた本も途中で飽きて読むのをやめた。
枕元に投げてある携帯電話を手に取る。
着信なし。メールの返信もなし。
ルナマリアのほかには誰もいない部屋の静寂を破り、お腹が鳴った。
むっくりと気だるげに体を起こして部屋を後にした。
「お姉ちゃん髪ボサボサ」
「え…あぁ」
気にもとめずにパスタをフォークでぐるぐるし続ける。
どこか目の焦点もあっていない。
メイリンはそんな姉の姿を以前にも何度か見ているのを思い出した。
「どしたの?」
「別に……」
全然別にの状態じゃない。
思い当たることはただ一つ。メイリンは小さい声で訊いた。
「…シンとなんかあった?」
ルナマリアの手が止まる。
「ケンカ?」
再びぐるぐるし出す。
「ケンカできた方がまだましかもね」
ルナマリアはため息交じりに呟いた。