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□咬んでもいい?
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脳裏に悪魔の囁きが木霊する。
ぱっと体を起こして辺りに誰もいないかしっかり確認。
よし、誰もいない…
静かにシンの隣に腰かけて顎に手をかける。
起こさないようにそーっと顔を上に動かして首元にキスをした。
「ほんとに痕なんかつくのかしら…」
もう一回今度は少し強めに唇を押し当ててみた。
「んー、噛んでみる?」
それじゃ歯形がついちゃうわ。
私がつけたいのは秘密の証。
私だけが許される行為。
「…別に歯形でもいいのか」
襟を掴んで首元を露にする。
私はシンに覆い被さるような形でシンの真っ白な肌に歯を立てた。
吸血鬼が血を飲むみたいに。
かぷっ。
「うっ」
やばっ、さすがに起きたか。
急いでシンから離れて身構えた。
「………すー」
やっぱり寝起き悪い。
なんて気持良さそうに眠ってるのかしら。
完全に安心しきっちゃってる、幼い寝顔。