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□はちみつタイム
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「へ?そんなんでいいの?」
「うん」

ルナマリアはぽかんとする。
形に残るものをあげたいと思うのは独りよがりな考えなのか。
自分の思い出を残してほしいと思うのは。
けど、シンがほしいって言ってるんだから望みは叶えてあげたい。

「わかった。じゃあシンの誕生日にケーキ作ってあげる」
「え…ほんとに…無理すんなよ?」
表情を曇らせるシンにルナマリアは声を荒げる。
「なによ!出来ないとでも思ってる!?」
「いや…」
ふんっとそっぽを向いてシンに挑戦的な眼差しを投げる。

「見てなさい、私だってやればできるんだから!」



……とは言うものの、私ケーキなんて作ったことないし、そもそも料理なんてしたことない。
「大きい口叩いちゃったけど、大丈夫だったかな…」
ルナマリアは不安に駆られた。
だって、材料すらわからない…。

「だ、大丈夫よ。まだシンの誕生日まで10日くらいあるし、うん」

額に滲む脂汗を無視してガッツポーズ。
確信なんてどこにもないのは百も承知だった。
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