少年陰陽師

□黒い鬼
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黒い鬼




…ずいぶん昔の夢を見た。もう白く霞んでしまった夢。


『夢…か…』


浅い眠りから現実に戻ると虚しさが胸いっぱいに広がった…。



ただ、夢を叶えたいんだ。
ただ、願いを叶えたいんだ。
そのために、俺は生きているのだから…。
手で心臓辺りの布をぎゅっと掴む。

そろそろ、
自分がやり遂げねばならない事をしなければ…



さぁ…


『…行こうか』

楽しい遊戯の始まりだ。


無理矢理、口角を吊り上げる。
そして、近くに転がっていた黒い鬼のお面を手に取り、立ち上がった。




繰り返される悲哀

壊れた心に
残ったのは
微かな
虚しさだけ







黒い鬼

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