色々様々夢

□たダ、愛しテ欲シクて
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「たダ、愛しテ欲シクて」


愛を探して
愛を求めて
愛のために
愛を捧げた


切ない想いで溢れ出た雫を拭って、ただただ、想い続けた。


愛が欲しいのに、自分から与えるばかりで…思い返せば胸が張り裂けそうになる。
共に楽しんだ日々も共に喜んだ日々も共に悲しんだ日々も、際限なく溢れ出る泉のように湧いてきて、結局は虚しくなる。

そんなときに限って、晴天だったりして。
そういうときは鮮やかすぎる空とか穏やかすぎる風を恨めしく思って睨みつけた。


「…り……」
―六合――


小さすぎる声は、爽やかな風に拐われ、微かに雑音と化す。相変わらず、穏やかな風…その風からは青い草木の匂いがする。



貴方はこの想いに気づいているだろうか?気づいていないだろうか?
それとも―…気づかぬ振りをしているのだろうか?

そんなことを考えながら、風が運ぶ草木の匂いを嗅いだ。…この香りは、なんとなく貴方を思い出させる。


こんな感傷に浸れば、貴方が此処に戻ってくるなんて思ってない。

でも、「貴方は、彼女の傍で不器用な微笑みを見せているのだろうか…」と、少し貴方を思い浮かべることくらいは、…許されるでしょう?




愛し続けて
愛し続けて
愛し続けて
愛を捧げて
愛を与えて

戻ってきたものはあっただろうか?


風が吹く…。
青い草木の匂いがする…。
貴方を思い出す。

また、淡い思いが溢れ出て滴が零れた。

愛してる。
愛してる。
愛してる。


捧げた想いの分…
ただ、愛して欲しくて。






「少年陰陽師で風音を想う六合を想う主人公」で悲恋を書いてみました。んまぁ、実のところ前サイトで書いたやつを修正したりなんだりしただけなんですが^^^←
口調は女主人公っぽいですが、特に決まってませんので男主人公でも女主人公でも、お好きなほうで解釈していただければ幸いです。


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