向日葵の君

□004
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桜舞う中、私は学ランを来て校門前に立っていた。私は男装をし、"越前リョーマ"として中学校に通うことになったのだ。……これも運命か。父さんとスミレちゃんが裏で色々やってなんやかんやで入学することが出来たらしい。心配なことが多すぎるわ。そう思う私に父さんは男テニの方がお前の実力にあっているだろうと言うので渋々了解した。それからそつなく入学式が終わり、クラスでも特に問題はなく今日の授業は終わった。



『んー…よし』



愛用のテニスバッグを持ち教室を出た。テニスコートに行くために。今日からどの部活も見学OKだと担任が言っていたから男テニを見に行くのだ。













多少なりとも道に迷いながらも何とかテニスコートを見つけた時、後ろから名前を呼ばれた。知り合いなんていただろうかと後ろを振り替えればうる覚えだけど見たことのある顔があった。




「越前!お前同じクラスの越前だよな!」




クラスという単語で閃いた。たしかいたな、こういう人。




『うん。君は…堀尾だっけ』





一応マンガにも出てたからね、名前くらいは知っていた。よかった…マンガ見ていなかったら完璧わからなかったよ。申し訳ない堀尾よ。




「お前もテニス部はいるんだろ?」

『まぁ…』

「ここのテニス部強いらしーぜ。まぁ俺はテニススクールに通ってるから…」




なんて自分自慢しだした堀尾を置いといて近くにいる一年に声を掛けた。だってうざいんだもん。




「今日は3年生と2年生のレギュラーがいないから仮入部は明日からだって」




その言葉を聞いて思いっきり肩を落とした。…なんだ、せっかくレギュラーに会えると思ったのに…。そう思っていると2人の先輩に話を掛けられた。




「なぁお前らうちのテニス部はいんのか?」

「2年の林と池田だ」

「ちわーす!」



元気良く挨拶をする三人に合わせて私も小さく頭を下げた。



「いいゲームがあるんだけどやってみねぇか?」




そういった先輩の顔は怪しく笑っていた。嫌な予感しかしない。お母さん、早速上級生にからまれました。




 


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