向日葵の君

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ランキング戦2日目。
今日も昨日と同じくらい選手も観客も盛り上がりを見せている。
コートに来る前に少し手塚先輩の試合見てきたけど周りの女子が人間とは思えない、まるで超音波のような声を発して発狂してた。
………本当に同じ性別なのかと疑うよ。

おっと、私にはそんな事を考えてる暇なかった。今は自分の試合に集中しなければ。





「お互いくいの残らない試合にしよう」



『ど、ども』




2日目の1試合の相手は乾先輩だ。
あまりの身長差に私はほぼ真上を見ている状態。
結構高いということは知ってたけど、ここまでとは………。





「ザ・ベスト・オブ・ワンセットマッチ乾サービスプレイ!」




審判の声と同時にワクワクと心が踊った。
あの長身を生かしてどんなテニスをするのか、見物だね。




「はっ!」





大きな動作で乾先輩が打ったサーブは思ったよりも速いものだった。
私はすかさずリターンをし、打ち返した。
だけど乾先輩は既にネット際に近より、ボレーを打った。

全く無駄の無い動き………全て計算済みってか。でも、私だってそう簡単に負けらんないよ!

私は乾の左後方にスキを見つけそこにショットを打ち込んだ。




「ハズレ」




私の考えは全て乾先輩に読まれていたようだ。
先輩はすぐに球に追いつき、軽々とボールを返してきた。




『くっそ………!』




出来る限りの手を伸ばしては見たがギリギリ追い付かず、ボールは外へ弾き出された。



『………』




流石データマン、とでもいったところかな。
どんなに裏を読んでも打ち返される。
………本当この人のプレイスタイルは苦手だな。








 


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