結局、景吾と一緒にご飯を食べることになった。そのせいかいつもより賑やかな食事だった。
食器を水に浸けた後ソファーで寛いでいるとドス、と音をたてて隣に景吾が座った。
『なんだい坊っちゃん』
「お前のそのしゃべり方の方がなんなんだ。気持ちわりぃ」
『半泣きにさせるぞ』
「やれるもんならやってみろ、馬鹿」
相変わらず悪口しか言わない景吾。そんなもんとっくの昔に馴れた。
こんな景吾でも最初は可愛いげがあって優しかった…
「へたくそが!なんでとれないんだよ!」
『だって…』
優し…
「ばかが!こんなこともできないのか!」
『…うるさい!』
…優しくなんかなかったと今更思い出した。
そうだ、コイツは昔からこんな性格だったんだ。
畜生、良い思い出が見つからねぇ…!
「それより桃胡。部活は何に入ったんだ?」
『はい?!』
「うるせぇ!」
突然の質問に頭が回らなかった。
コイツに男装して学校に行ってる事言っちゃ駄目だ。絶対に馬鹿にされる…!!