++短編@++

□しゃーぺん
1ページ/3ページ







「なぁ苗字さん。
シャーペン貸してくれん?」

『・・・ハァ。また?』

「すまんのぉ。」

『謝る気ないでしょ;』

「・・・・・。」

『図星っスか。』

「なぁ苗字さん。
シャーペン貸してくれん?」

『初めに戻ってるし』

「まぁまぁ。」

『・・・ハァ。もーいいや。
はい、何時ものやつでいいよね。』



ため息つきながら
筆箱を漁っているが
内心ではそんなに嫌ではない。
・・・・はず。



「おーサンキュ。
流石苗字さんじゃの」

『いえいえ。』



筆箱から取り出し、
私の手から彼の手に渡される、
白に近い銀色の
シンプルなシャーペン。
彼にぴったりだと思って貸してるもの。
・・・・まぁ100均のだけど。←
でも彼にかかればたかが
100円のシャーペンも
高そうな物に見えてくる。
細くて長い指・・・
それに持たれているシャーペンは
私が持ってるより凄く輝いている
・・・・気がする、と思いたい。
なんて彼の指をじっと
見つめながら考えていたら
私の視線に気付いたのか
彼が黒板に向けていた顔を
こちらに向けた。
・・・ニヤリと妖しい笑みを浮かべながら。






.
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ