++短編@++
□しゃーぺん
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「なぁ苗字さん。
シャーペン貸してくれん?」
『・・・ハァ。また?』
「すまんのぉ。」
『謝る気ないでしょ;』
「・・・・・。」
『図星っスか。』
「なぁ苗字さん。
シャーペン貸してくれん?」
『初めに戻ってるし』
「まぁまぁ。」
『・・・ハァ。もーいいや。
はい、何時ものやつでいいよね。』
ため息つきながら
筆箱を漁っているが
内心ではそんなに嫌ではない。
・・・・はず。
「おーサンキュ。
流石苗字さんじゃの」
『いえいえ。』
筆箱から取り出し、
私の手から彼の手に渡される、
白に近い銀色の
シンプルなシャーペン。
彼にぴったりだと思って貸してるもの。
・・・・まぁ100均のだけど。←
でも彼にかかればたかが
100円のシャーペンも
高そうな物に見えてくる。
細くて長い指・・・
それに持たれているシャーペンは
私が持ってるより凄く輝いている
・・・・気がする、と思いたい。
なんて彼の指をじっと
見つめながら考えていたら
私の視線に気付いたのか
彼が黒板に向けていた顔を
こちらに向けた。
・・・ニヤリと妖しい笑みを浮かべながら。
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