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□風神
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空高く、鷹が舞い上がると…遠くから地響きのように何かが向かって来るのを感じた…。
それがなにであるかわかった瞬間、ふわりと体が浮くと、とっさに目を閉じる。
光を強く受けた感覚…
誰かの声に呼ばれた気がして、そっと目をあけた。
そこには、自分の今までいた世界とは全く異なる世界が目の前に広がっている。
言葉を無くしていると、鷹が甲高く鳴き、大きな翼を広げて再び私の横を駆け抜けて行った。
鳥の鳴く声が通り過ぎていくと同時に、意識が遠のいてゆく…
再び目を覚ますと、そこは先ほど見た光景とも違い、見慣れた景色が広がっていた
何だったのだろう?
あの光景は…。
私はリル
小さな時から風の声を聞く事が出来たが、特に周りに話すことも無かった…
というのも、初めは気のせいだと思っていたからだ。
人と違うと気がついたのはいつからだったろうか…
しかし、意を決して親に話したが、周りの目を気にしてか、二度とこの話をする事は許されなかった…。
その日から、周りとの違和感を感じつつも、人知れず風達の話しや遊びにも耳を傾けていた。
風は私の周りをゆらゆらと揺らぎ、時々手を取ると河原や花畑へと誘った。
そんなある日、いつものように私の周りを風達がはしゃぎ回ろうとした瞬間、ピタリと動きが止まったかと思うと、サッと気配が無くなり、強い風と共に声が迫ってくる感覚に捕らわれた。
『何か来る…』
…&*@%£¥∞…
言葉の様にも聞こえるが