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□各駅停車の恋
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※クレアさんがストー…一途。性格崩壊注意報
※グラハムが出てきてないのに酷い扱い。
※取り敢えず気にしたら負け突っ込んでも負け
俺はクレア・スタンフィールド。今をときめく花の大学生☆
誰に向かって自己紹介してるかとかそういう疑問はおいしくないぞ!
理数系大学に(友人談によると“人間語話してください人外”とかで文学全般駄目すぎるらしい。意味わからん。)毎朝電車で通学しているわけだが気まぐれで乗った各駅停車(補足:寝過ごして快速だと思いこみ慌てて乗り込んだら各駅だったよ)で俺は運命の出会い(補足:通算17回目)を果たした。
彼の人は大きめの目が印象的で髪は茶色、明るめで色素の薄い茶色だ。
朝日に照らされた繊細な髪をかき上げる彼は、そう彼だ!
「ラック、俺に近日彼氏ができるかもしれない。」
「彼女作ってからほざいて欲しかったです。そして18回目の失恋おめでとうございます。」
因みに俺と文学の相性の悪さを指摘した友人というのもラックというこの男だ。
敬語使う癖に嫌に口が悪い。俺限定で。
まあ、そんな事はどうでも良いんだ!
とにかく俺は“彼”と接触すべくその日を境に毎朝その各駅停車に乗り込んだ。(遅刻?降車後全力疾走すれば大丈夫だ!)
度々乗っていてわかったことは彼がいつも同じ時間の同じ車両の同じ席を陣取っているということ。
こちらとしては都合が良いのだが、帰りにはどの電車に乗るのかなど把握できない(できたら怖い)ので朝の数十分間の乗車時間だけ彼を眺め続けていた。
それはもう毎日毎朝。
そもそも午後の授業しか受講しない時も欠かさず同じ電車に乗るので午前中に空き教室でニヤニヤする時間が増える→ラックに怪訝な顔で見られる→近況報告→ラックは至って真面目に俺に言い聞かせる。
「クレア それは ストーカー予備軍」
…それはまずいな。
というわけで俺は名前も知らない彼に声を掛けることにした。
しかし彼を観察してきた俺は知っている。彼は…
人見知りだ。
例を挙げようか。
彼はボックス席に3人が座っていると絶対に4人目として座らない癖がある。
ラッシュ時には端に縮こまって眉間にシワを寄せまくっている。
DQNが大人数で車内に入ってくると舌打ちをして他車両に避難する(勿論俺も追いかけた)
こちらの私見でしかないが恐らく彼は電車に乗るのも嫌々だろう。
決して自分からは他人の隣に座らないのだ。
…近づけないな…これ…
そんなこんなで一方的な関係に何故か自傷的な気分になり観察日誌でも付け始めようかという考えを巡らせ何かの道を踏み外しかけた帰路、(レポート提出でかなり遅くなった)車内で彼を見掛けた。
すっかり人も疎らになった車内でなぜか手すりに寄りかかってかくんかくんと危なげに揺れている。
終電一本手前くらいだぞこれ。
そのまま暫く観察してみるが、
相も変わらず夢と現をさ迷っている。(と、詩的に言ってみたが実際には今にも倒れてしまいそうでかなり危なげだ。)
そこで俺はよし、と拳を握り(冷静に考えると何がよし、だ。)彼に向かって手を伸ばした。
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