タイムスリップ
□タイムスリップ H
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ブゥン・・・キキー
関太郎「よっしゃ着いたで」
じゅに子「ここ?」
車が停まったのは小さな教会やった。
じゅに子「結婚式の写真の教会とは少し違うような・・・」
関太郎「ふふんっ(笑)」
関太郎はあたしの言葉を聞いて意味ありげに笑った。
ギィ・・・
じゅに子「わぁ・・・」
大きな扉を開けると、ステンドグラスの光でキラキラと輝く小さな祭壇があった。
関太郎「実はな、ホンマはここで挙式する予定やったんやで?」
じゅに子「え・・・?予定・・・?」
関太郎「そう。たまたま2人でドライブしてた時にこの教会見つけて、俺もじゅに子も一目惚れしてしまってん」
一目惚れ、分かる気がする。
関太郎「でもな?俺の会社関係とか、友達関係とか呼ぶには人数的にムリやって諦めたんや」
じゅに子「そうだったんや・・・」
確かに小さな教会やもんな・・・
関太郎「そんな時、ここの神父様が2人だけの結婚式をせぇへんかって提案してくれてん」
じゅに子「え・・・?」
「それはあなたがた夫婦がこの場所をとても気に入ってくれたからですよ」
突然教会に響く男の人の声。
関太郎「神父様っ・・・お久しぶりです」
じゅに子「神父・・・様?」
目の前には黒い服を身に纏った年配の男性。
神父「よく来てくれましたね」
関太郎「はい・・・っ」
握手を交わす関太郎と神父様。
神父「じゅに子さんも」
じゅに子「あっ、はい・・・」
伸ばされた手を握る。
じゅに子「っ・・・」
その手はとても温かくて、全てを包み込んでくれるような大きさを感じた。
関太郎「神父様・・・」
関太郎が何か言いたそうに神父様に声を掛けた。
神父「・・・こちらへいらっしゃい」
ニコリと笑うと、あたしと関太郎を一番前の席に座らせてくれた。
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