タイムスリップ

□タイムスリップ I
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教会に行った日から少し経ったある日。




関太郎「あ、今夜うちの会社のやつが来るわ」

じゅに子「え?」

関太郎「ちょっと緊急でやらなアカン会議があんねん」

じゅに子「そう・・・」




会社の人たちは既にあたしが10年間の記憶を失ってる事を知ってた。




じゅに子「初めて会う・・・って言っても実際は何度も会ってるんやんな?」

関太郎「大丈夫や。みんなじゅに子のこと心配してくれてたし」

じゅに子「でも・・・迷惑かけてしまうかも・・・」

関太郎「あぁ、それも心配いらへんて。そんなんで迷惑って言うやつおらんし」

じゅに子「そっか・・・」




あたしは記憶を失ってから徐々に、あまり人に会いたくない気持ちが強くなってた。




関太郎「・・・嫌やったらどっか別の場所借りてやるけど・・・」

じゅに子「えっ、あ、ううん。大丈夫・・・」

関太郎「・・・そうか?」

じゅに子「・・・う、うん」




大丈夫・・・やんな。




関太郎「あ、もう出な」




関太郎は腕時計を見て立ち上がった。




関太郎「ほな行って来るっ・・・」




クイっ・・・




関太郎「・・・じゅに子?」

じゅに子「っ・・・」




あたしは無意識に関太郎のシャツを掴んでた。




関太郎「・・・どうした・・・?」




じゅに子「・・・関太郎・・・ちょっとだけ早めに帰って来れる・・・?」




関太郎「え・・・?」

じゅに子「・・・あっ、いやっ(焦)そんなん無理に決まってるやんなぁっ!」

関太郎「・・・」

じゅに子「あ・・・もぉーごめんっ、言ってみただけやから・・・今の忘れてっ!ははっ、あはは・・・(苦笑)」




これ以上関太郎を困らせちゃいけない。




関太郎「じゅに子・・・」




グイッ!!




じゅに子「っ・・・!?」




あたしは関太郎に引っ張られ、思い切り抱きしめられた。




じゅに子「ちょっ・・・なにすっ///」


関太郎「・・・早めに帰るから」


じゅに子「え・・・・・ホンマに?」

関太郎「うん」

じゅに子「でも・・・ええの?」

関太郎「・・・当たり前やろ?じゅに子の頼みやねんから」

じゅに子「・・・うんっ」




ぎゅっと強くなる関太郎の腕。




あたしはそれに答えるように、関太郎の背中に腕を回した・・・。


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