企画

□恋の始まり
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「あれ?貴方はこの前の……」


あれから一週間後、この前雨宿りしたカフェに居たときだった。
聞いたことがある声が聞こえ、振り向くとそこにはこの前の女がいた。



「お前はこの前の……」


「風邪引きませんでしか?えっと……」



そう言えば、お互いに名前を名乗っていなかったのを思い出し、俺は軽く名乗った。



「俺はリボーンだ」


「リボーンさん?」


「さん、はいらねぇ」



そう言うと、女はニッコリと笑いはい、と返事をした。



「私はつなといいます。」


「つな?」


「はい。私、日本人なんですよ。」



そう言われて俺は軽く目を見開いた。
女……つなは髪と目が綺麗な琥珀色で、それは日本人を思わせないものだった。
イタリア語も丁寧で上手な喋り方だ。



「先祖返りです。私の先祖がイタリア人なので」


「そうなのか…」



でも確かにお節介なのをみると日本人だと言うことに納得がいった。



「そう言えば、傘なんだが…」


「あぁ!!あれあげますよ。」


「それは駄目だ。ちゃんと返す」


「いえ、でも……」



何故か自分は傘を必死に返そうとしている。その理由がまた会いたい、だなんて俺はまだ気づいてはいなかった。



「じゃあ……一週間後でもいいですか?」


「あぁ…。忙しいのか?」


「まぁ…はい。」



苦笑いしたつなを見て、俺は詳しく聞くのをやめた。
人間言いたくないことの1つや2つあるだろう。



「わかった。じゃあ一週間後だな」


「はい。」



それを楽しみに待っている事に俺は気づかなかった。





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