企画
□恋の始まり
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あれから、つなと会う回数が増えていった。ほとんどあのカフェで会い、話をしている。
つなと話すのは楽しくて、気が休まる。
いつしか俺はつなに恋に落ちていた。
でもつなにはそれが解っていたみたいだった。
そしてある日、俺はこの想いが押さえきれなくなり、つなに想いをつげた。
「つな、真面目に聞いてくれ。俺はつなが好きだ。」
「………リボーン」
「こんなに真剣に人を好きになったのは初めてなんだ。つなと一緒に居たいんだ。………ダメな所は直す。だから……」
俺はつなの顔が見れなかった。
俺から告白するのも初めてなので、らしくもなく緊張していたらしい。
しばらくたってから、つなが口を開いた。
「リボーンはリボーンのままでいいんだよ…。直すところなんて1つもない。……必ずそんな貴方を包んでくれる、優しい人が現れるから…」
「……お前は?お前じゃダメなのか?」
「私はダメだよ…だって私は……貴方を、傷付けてしまうから」
そう言って儚げに笑うツナに、俺は言葉を失ってしまった。
それから俺は、つなと会うことはなかった。
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「世界最強のヒットマンの君に依頼を頼みたい」
「……内容によってだな」
あれから俺は、がむしゃらに依頼をこなしながら、つなを探していた。
だが、おかしな事に日本人の“つな”と言う女はどこを探してもヒットしなかった。
あらためて俺は彼女の事を何も知らないんだと実感した。
「依頼内容は家のボスの護衛だ」
そう言って差し出された紙には、多すぎる金額が記載されていた。
「俺にとっちゃ有難い金額だが……これはどうゆう事だ?」
「申し訳ないがそれは言うことが出来ない。」
「……まぁいい。だいたい予想はつく」
大方、何かをやらかして、でかい組織に命を狙われているのだろう。
普段ならめんどくさいから断るが、最近の俺は何でも依頼を受けていたので、いつものように了承したのだった。
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