短編

□梅雨
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「沢田、お前放課後居残りだ。」

「はい………」


今日も数学の小テストで素晴らしい点数を採ってしまった俺は居残りを言い渡された。

いつも居残り仲間の山本は野球の大会が近いので免除されていた。

「悪ぃなツナ。」

「ううん、野球頑張って。」

そう言って山本は部活に行った。

獄寺君と言えば、午前の授業中にビアンキが乱入してきて気絶。
ビアンキが獄寺君を担いで帰っていった。


「よし!!早く終わらせて帰ろう!!」

そう言って俺はペンを手に持った。




******

「終わったーーー!!」

やっと終わった課題を職員室に持っていき、帰ろうと思い玄関まで行くと……

「ゲッ…雨だ。」

そう、雨が降っていた。


「ヤバいよ…傘持ってない…。」

どうしようか考えていると、入口付近に黄色いカッパを着た子供がみえた。


「……リボーン?」


それはリボーンで、黄色い傘をさしながら、もう1つ傘をもっていた。

「ダメツナ……帰るぞ。」

「うん、ありがとう。」

そう言ってリボーンから傘を受け取ったが、俺は足を止めた。

「どうした?」

「ねぇ、リボーン。手ぇ繋ごう。」

そう言って手を出すと、恐る恐るリボーンが手を繋いできた。

珍しい……絶対に断られると思ったのに…


「帰ろっか。」

リボーンの手をしっかり握って、俺達は歩き出した。


リボーンはもう4歳になった。

出会った頃よりは背が伸びたけれども、まだリボーンの背は低い。
ギリギリ手を繋げるくらいだ。


でも、リボーンはいつか俺の身長を越すんだろうな。

「当たり前だぞ。」

「……読心術使うなよ。」

「ふん…」

リボーンに見下ろされるなんてまだ想像出来ないけど、きっとカッコいいんだろうな。

「ねぇ、リボーン。」

「なんだ?」

「早くおっきくなってね。」

「あぁ…。」

今はこの暖かい感情が何なのか分からないけど、多分ずっとこの気持ちは残るんだろうな…

「早く帰るぞ。今日はカレーだ。」

「うん!!」

そう言って二人手を繋ぎながら、雨の中を帰っていった。




END

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