短編

□好き好きダーリン
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※リボーンはまだツナが好きだと気づいてない10年後
















「だぁーいすきリボーン!!」

「………」

「じゅ、10代目!!」

「わぉ、何があったんだい?」

「……知らねぇ」




******

それは朝の事だった。
俺は起きて直ぐに執務室に向かった。ダメボスを起こさなきゃならねぇしな。

だが、いつもなら寝ているはずのツナが今日は珍しく起きていた。

「ツナ?」

椅子に座ってるツナに声をかけるとゆっくりとこっちを向いた。

そして俺を見たとたんに抱きついてきやがった。


「つ、つつつつつつツナ!!」

らしくもなく焦っていると、とどめの一撃をくらった。


「リボーンすきぃー!!愛してるー!!」




******

「と言うわけだ。それ以来……」

「好き好き大好き!!」

「……こんな状態だ」

驚いてるようで驚いてない雲雀と目を点にしている獄寺に事情を話した。

「ふ〜ん………」

「そうだったんですか…」

「あぁ…何か知らねぇか?ツナに聞いても真面目に答えねぇからな。」

そう言うと獄寺が何かを思い出したらしい。

「そう言えば昨日の夜、骸が10代目に差し入れを持ってきたんすけど……」

「美味しかったんだよぉリボーン!!」

「確実にそれじゃないの?大方変な薬で綱吉を手に入れようとしたのに失敗して帰ったとか。」

「確かにガッカリした顔をして帰ってたが…」

「決まりだね」

「……はぁ……。とりあえず獄寺と雲雀は骸を探しに行け。んで半殺しにしとけ」

重い溜め息をつきながら獄寺に指示を出した。

「了解っす!!」

「しょうがないね」

そう言って二人は出ていこうとしたが、雲雀が何かを思い出したかのように振り返った。

「…赤ん坊も満更じゃないんじゃない?嫌だったら本気で離してるでしょ。」

「何を…」

「じゃあね。よく考えて」

そう言うと扉がしまってしまった。

「はぁ……」

今日は溜め息ばかりだ。

「大丈夫?リボーン…」

お前のせぇだぞダメツナ…

「ツナ、頼むから離れてくれ」

流石にもうこの状態はキツイ

「イヤッ!!リボーンと離れたら死んじゃう!!大好きなんだもん!!」

「わかったから離れろって!!」

軽く離そうとするとツナの雰囲気が変わった事に気付いた。

「ツナ…?」

「……ない」

「は?」

「リボーンは分かってない!!」

急に起き上がったツナは俺を押し倒した。
俺はツナの真剣な顔から目が離せなくなった。必死に何かを伝えようとしているその目から…。

「好きなんだよ……。本当に好きなの…。ねぇ、どうやったら信じてくれるの?」

「ツ…ナ……」

ツナの瞳から涙が俺の頬に落ちた。どうせ薬のせぇなんだ。なのにどうしてこいつは本当に悲しそうに泣くんだ。

「ずっと………ずっとずっと好きだった。赤ちゃんの時から好きだった。でもこんな事お前には言えなくて、それにお前には愛人もいたし。」

「ツナ……」

薬のせぇなんだ!!信じるな。

「時々フラッと居なくなってキツイ香水の臭いつけて帰ってくるお前を見てると悲しくて切なくて…恋しくて……。ねぇ、俺はどうすればいい?ずっとこんな悲しい思いしなきゃいけないの?何回気持ちを伝えれば通じ合えるの?」

「ツナ…お前……」

とても今の話は嘘に聞こえなくて、本当のツナの気持ちを聞いてるようで嬉しい自分がいた。

「もい愛人でも何でもいいからリボーンのそばに居させてよ!!もう…悲しい思いするのは………い……や……だ……」

そこまで言うとツナは気を失って俺の上に倒れ込んできた。
そんなツナを力強く抱き締めるとギュッと服を捕まれた。


「……正直になるか。」

好きだ
ツナが好きだ。

本当は大分前に気づいていたのかもしれねぇ。
それを紛らわせる為に愛人の所に行ったりしていた。

でも満たされなくて必ずその後はツナの所に行っていた。そこでツナの笑顔で満たされていた。

そこまでツナの事が好きだったのだ。

「覚悟しろよツナ」

俺を捉えた代償はでかいぞ。



すると携帯がなった。
着信は雲雀から


「ciao」

『やぁ、赤ん坊。ナッポー捕まえて聞いたんだけど『僕はナッポーじゃありません!!』煩い咬み殺すよ。』

「……雲雀」

『あぁ、ごめん。それでその薬何だけど綱吉が骸に頼んでいた物らしいんだ。』

「はぁ?」

『素直になれる薬……らしいよ』

「………」

『赤ん坊は素直になれたかな?』

「ふん…余計なお世話だ」

『そう。じゃあナッポーぐじゃぐじゃにした帰るから『だからナッポーじゃ』死ね』

「………」

『お土産はナッポージュースだよ』


そう言って電話が切れた。


雲雀の話じゃツナの言葉は本心らしい。


「……相当重症だな」

ツナを抱き上げるとベッドルームまで向かった。

「起きたらねっちょり教えてやるよ。俺の気持ちってやつをな」

すやすや眠るツナの額にキスを送った。

「早く起きろツナ」




END
 

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