短編

□好き、好き、嫌い
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好き、好き、……嫌い


君の事…好きだよ

何度両想いならと思ったことか


でも…
それが叶わないことだって
この忌まわしい能力で分かってるんだ




******



「…リボーン、最近機嫌いいね」


「あ、分かるか?」



分かるに決まってる

超直感抜きにしても
君の事は分かるよ

何年一緒にいたと思ってるの?


でも…この先は超直感のお陰で分かる



「……好きな人でも出来たんだ」


「……まぁな」



そう言って見たこともない笑顔で笑っている君を見ていたくなくて、俺は慌てて背を向けた。



「全く、ノロケるのやめてよね、もう!!…気になるなら会いに行ってきたら?」


「何言ってんだ。俺はお前の護衛中。」



止めて……
そんなこと言わないで…

何も思ってないくせに
期待させるようなこと言わないで…



「っ、……他の人呼ぶから言ってきていいよ!!」


「……だが…」


「あーもう!!そんなにソワソワされたらこっちが仕事できないの!!」



リボーンがチラッと時計を見るたびに
俺がどれだけ傷ついているか…
リボーンには一生わからないだろうね



「さぁ、早く行った行った!!ルーチェさんと待ち合わせでもしてるんでしょ!?」


「Σ!!お前何で知って!?」


「……俺には便利な能力があるから!!」



同時に残酷な能力だ

知りたくないことも知れちゃうんだから…



「いい話期待してるよ!!」



嘘つき
この関係だけでも続けたい俺は嘘をつく

俺にはこの関係しかないのだ



「ありがとなツナ。じゃあな」


「うん!!」



早く行って、出てって

―――――イカナイデ


俺は天の邪鬼だから

この関係を壊したくないから

嘘をつき続ける



リボーンが出ていったのを確認し、そっと涙を流した。



「り、ぼ……ご…めん、なさっ、」



好きになってごめんなさい

愛してしまってごめんなさい


それでも俺は

貴方への想いを封じる事は出来ないの



せめて…
心の中では想わせて…



好き、好き、でも、嫌いだよリボーン…




END
 

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