* 拍手ユメの倉庫 *

□「起」
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「ケンイチ?まだ寝てんの?」

「ぅぅん?・・・・」

「元旦くらいちゃんと起きたら?」

「う゛ぅぅぅ・・・・」

唸りながらも中々起きないケンイチの鼻先をつんつんと触ると、くすぐったそうにウサギみたいに鼻を動かした。

私の大好きなつんとめくれ上がった上唇に人差し指で触れてみると、パクッと私の指を銜えた。

「起きてんじゃん。笑。」

「んん・・・もうちょっと・・・」

「ごはん冷めちゃうよ。食べるでしょ?」

「食べるぅぅぅ・・・。起きるからぁぁぁ・・・」

「じゃあ起きてよ。」

「起きるから・・ちゅうして。」

「なんですとぉ?笑。」

眠そうな目を片方だけ開けて、いたずらっ子みたいに見るケンイチの頬に、“チュッ”っとキスをする。

不意にケンイチが笑いながら私を胸の中に引き寄せた。

「っわぁ!!」

「初キッス。ひっかかったね〜」

ん〜 なんて言いながらキスをしてくるケンイチを、笑いながら押しのけようとするとする私をまたぐっと引き寄せて
「初えっ ちしようか?」なんて首筋に顔を埋めて来た。

「だめっ!今日は初詣に行こうっていったでしょ?それにゴハン、冷めちゃうよ。食べないの?初ご飯。笑」
「食べる、食べるけど初えっ ちは?」
「ったく、しょうがない子だね。ケンイチクン!
 じゃあまず、ゴハン食べて、初詣に行って、その後ちょっとぶらぶらして、んで帰ってきて、それでもまだしたかったらしよ?」

「うぅぅ・・・・今したいのにぃ・・・」

聞かない振りをして、ケンイチの腕の中からするりと抜け出た。
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