* 短編。読みきりモノ。 *
□カイジの果て。
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久しぶりにタツヤさんと共演できる。
それだけでも嬉しいのにタツヤさんから電話がかかってきた。
「撮影楽しみにしてるよ。」
「僕もです。どんなキャラクターか今必死で台本読んでますよ。」
「やっぱりな。今度さ一緒につめて話さないか?あのシーンは重要なシーンだし。」
「いいですね!僕もお願いしたかったんです。」
「じゃ 決まりな。」
そうして僕らは久しぶりに再会して、あいさつもそこそこに演技プランや映画について熱く語り合った。前の映画の時は敵対する役だったため、あまりお互いについて深く話し合うことはなかったが、今回はお互い同じ環境の中での役だ。
僕達は自分の役への解釈と互いの絡みを話し合い、この作品をいいものにして行こうという熱い思いを重ねた。それはとても充実した時間だった。
男同士の熱い語らいがなによりも楽しく、酒もすすみ僕達はおおいに盛り上がった。
「ああ楽しいなぁ。なぁケンイチ、続きは飲みながらうちでやろうぜ。」
「いいっすねぇ。行きましょう!」
僕達はふらつく足でタクシーを捕まえ、タツヤさんの家に向かった。
「ケンイチ、先シャワー浴びちゃえよ。」
「いいっすよ。僕は帰ってから入りますから。」
「なに水臭いこと言ってんだよ。今日はもう泊ってけよ、そしたら気兼ねなくとことん話せるだろ?」
「あ、じゃあお言葉に甘えて、泊めてもらいます。」
「そうこなくっちゃ。じゃあ風呂場そっちな、タオルは適当に使っていいから。さっぱりしたらまた飲もうぜ。」
僕達は風呂からあがりさっぱりしたところで、また焼酎をあおりながら映画の話をした。