短編

□キモい
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最近のあいつは妙に変だ。

俺を見てはニヤニヤして
視線が合えば慌てたように顔を反らす。

本当、キモいんですけど。






「……と言うことで今日はおつかれさん!」


あーかったりぃ任務も終わったことだし帰るか。

ふと同じ班のアイツを見た。

チッ、ニヤニヤして顔をそらしやがった。

キモい、マジでキメェんだけど。


「おい、名無しさん。テメェ人の顔見てニヤニヤしてんじゃねぇよ」

「な、何を言いますか、サソリん。自意識過剰にも程がありますわよですわ」

「何同様してんだよ、てかサソリんやめろキメェ」

「え、サソリんはサソリん星のお姫様でしょ?あ、傀儡出すのやめてごめんなさいあやまるからゆるしてよマジでごめん」


俺が傀儡を出すと直ぐ様土下座して謝る。
その頭踏んづけてやろうか。


「はぁ……。で、何にやけてたんだ?」

「えーと……その、あの……今日さ、サソリの誕生日じゃん?それで……」

頬を赤らめて、モゴモゴ口を動かし土下座したまま顔をあげ上目遣いで俺を見上げる。

やべ、このアングルツボにだ……っ!

「これっ……誕生日おめでとう!」

「あ?ちょっ……待てっ」

何だ、アイツ。俺に紙袋投げつけて走っていきやがった。

本当、変なやつ。


しかし、可愛らしいとこもあんじゃねぇか。

フッと笑い紙袋を開けてみる。

……なるほど。





畜生アイツのキモい顔はこれのせいか!

紙袋の中身をみてアイツの顔がいやに浮かぶ。






『サソリん、誕生日おめでとう!サソリんに似合うと思ったので猫耳にメイド服セットをプレゼントします。大事に使ってね!』




次会ったら傀儡にしてやるっ……っ!

クシャッと手紙を握りしめ心に誓う俺であった。

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