短編
□お預け
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「ヒナタ」
「どうしたの?名無しさんちゃん」
彼女の名前を呼ぶとフワリと振り返り首を傾げる。
あぁ……今日もめっちゃ可愛い!!
「今日はもう任務終わった?」
「うん、今日はもう終わったの」
「そっか、お疲れさん!あ、じゃあ今暇かな?」
「うん、暇だよ?」
「じゃぁさ、じゃぁさ!一緒に甘味処にでも行こーよ!!」
「いいよ、お昼食べてなかったからお腹も減ってるし」
えへへと頬を掻く彼女に内心キュンキュンしながら平常心を保たせる
「いやーサクラやイノ誘ったらさ『ダイエット中』だってさ。だから一緒に食べる相手いなくてどうしようかと思ったよ」
「サクラちゃんやイノちゃんは別に太ってるとは思わないけどな……」
何でだろ、と首を傾げる仕草に自分の萌のボルテージが溢れ出す。
「クゥ〜ッ!!ヒナタ激可愛ってか何だか甘味じゃなくてヒナタが食べたくなってきた!!」
「えっ!?わ、私!?お、おおお美味しくないよ!?」
真っ赤になって慌てる。
かーわーいーいー!
あれ?さっきから可愛いしか言ってない気がする。
ま、いっか。
だって可愛いんだもん。
「さ、早く甘味処行こうか!」
「う、うん。あ……」
「ん?」
彼女が立ち止まり見つめる先を見ると憎らしきアイツがいた。
アイツも視線に気づいてこっち来る。
「おっ、ヒナタと名無しさんじゃねぇーか!何してるってばよ」
「別に……。ね、ヒナタ……って、ヒナタぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
真っ赤になり気絶するヒナタを地面ギリギリで抑える。
「何だぁ?ヒナタまた気絶したってばよ」
ん?と首を傾げるアイツ。
私の中で何かがキレた。
「ナルト……、テメェ……」
「ど、どうしたってばよ」
殺気を感じたのか怯えるナルト。
「毎回毎回、邪魔しやがって……覚悟は出来てるよな?」
ヒナタを膝枕し、素早く印を結び自分のコピーを出す。
「よし、ナルトをフルボッコ!」
「えっ、あっ、ちょっ……ギャァァァァァァァァッ」
悲痛な叫びが聞こえたが、気にしない。
さて、ヒナタを起こすか。
「おーい、ヒナタ〜?」
名前を呼び、頬を優しく叩いたり肩を揺すったりする。
「……」
……ダメだ、起きない。
はぁ……。また今回もデートお預けかぁ……。
ガクッと肩を落とす。
ナルトマジで死ねっ!