僕は死神
□第二話
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「ウィルー。ちょっと、お使いに行ってきてくれませんか?」
庭先で、皆と遊んでいると部屋からシスターの声がした。…お使い、か。めんどくさいなぁ。
俺の名前はウィルヘルム。イギリスで一番…いや、世界で一番の不幸者だ。……きっと。
俺は産まれて間もないころ、この孤児院に捨てられていたらしい。当たり前だけど、その時の記憶はない。物心ついた時から孤児院で生活していた。
もちろん、学校に行けるわけなく、勉強は殆んどここの神父さまや、シスター達に教えてもらった。
「外に行きたくないッ!」
そうシスターに告げると、シスターが溜め息混じりに言ってきた。
「また、貴方はそんな事を…。貴方は、ここの施設で最年長ですよ?お使いぐらい行ったら―――」
「嫌だッ!!俺、絶対に行かない!!」
大声で怒鳴ると、その声を聞いた神父さまが驚いた顔でやって来た。
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