コードギアス:短編

□明日の、その先
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 荷馬車に揺られながら、空を見つめる女がいた。

 藁《わら》の山吹色と絶妙なコントラストを見せる萌葱《もえぎ》色の髪。琥珀色の双眸《そうぼう》は先程からずっと蒼穹を見つめ続け、その端から流れる一筋の涙。

「なあ、ルルーシュ。聞こえているか? 今日も、空が青いぞ……」

 太陽を隠すように、天に掲げる両手。その隙間から零れ落ちた光を浴びて、目尻の涙がきらめいた――。











「……おい、ルルーシュ」

 呼び掛けた人物からの、返事はなかった。そよぐ風が、それを嫌でも自覚させる。故《ゆえ》に女は、苛立ち混じりに侮蔑の文句を吐いた。

「返事くらいしろ、童貞坊や」

「――聞いてるこっちの気を削ぐような間の抜けたアクビをしておいて……挙げ句の果てにはそれなのか、お前」

 呟いた言葉に数秒も間が空く事もなく、荷馬車の前方から声が聞こえた。その声の主は動力源である馬の手綱を握る男だ。




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