コードギアス:短編
□無償の愛
2ページ/3ページ
目を閉じて真っ先に思い浮かぶのは、いつも決まっている。
新緑の若葉色をした長い髪に、木漏れ日のように穏やかな色をした目。
強くて傲慢な厳しい女。弱くて臆病な優しい少女。不敵な笑みが似合う魔女。
どれが本物と言う訳でもなく、全てを含めてC.C.と言う存在が出来上がる。
死を望み、永遠の時を刻む己の命に終止符を打とうとしていた女。
力を持たず、必死にどん底で生きてきた少女。
虚偽《いつわり》の愛を拒み、真実《ほんとう》の愛を求め続けていた魔女。
その内に秘められた器に注ぐ愛は、生半可なものでは許されない。
受け入れてもらう為には、完全無欠の完璧な愛を。
がらんどうの器でさえ溢れさせてしまうような、一杯の愛を。
見返りを求める事はしない。下心なんて微塵も感じさせない。
それこそが、無償の愛。