コードギアス:短編

□無償の愛
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 目を閉じて真っ先に思い浮かぶのは、いつも決まっている。

 新緑の若葉色をした長い髪に、木漏れ日のように穏やかな色をした目。
 強くて傲慢な厳しい女。弱くて臆病な優しい少女。不敵な笑みが似合う魔女。

 どれが本物と言う訳でもなく、全てを含めてC.C.と言う存在が出来上がる。

 死を望み、永遠の時を刻む己の命に終止符を打とうとしていた女。
 力を持たず、必死にどん底で生きてきた少女。
 虚偽《いつわり》の愛を拒み、真実《ほんとう》の愛を求め続けていた魔女。

 その内に秘められた器に注ぐ愛は、生半可なものでは許されない。

 受け入れてもらう為には、完全無欠の完璧な愛を。

 がらんどうの器でさえ溢れさせてしまうような、一杯の愛を。

 見返りを求める事はしない。下心なんて微塵も感じさせない。

 それこそが、無償の愛。




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