コードギアス:短編
□嫉妬と愛情と
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ピザを大量注文したのは、自分の中にある感情を抑えつける為だ。放っておけば今にも暴れ出してしまう暴力的な感情。
人はそれを嫉妬と言うのだろう。
嫉妬は醜い。愛情の一種ではあるが、劣情の一種でもある。
その感情が私の中に芽生えたのは、つい昨日の事だ。
いつもより遅く帰ってきたルルーシュに近付いた時、明らかにルルーシュのものではない香りがしたのだ。
その時、その瞬間だった。
私の中に、嫉妬と言うものが生まれたのは。
「……はあ」
みっともない、と思うのが正直な所の感想。
年下の坊やに、まさか嫉妬するなんて。
「……C.C.」
後ろからの問い掛けに、音もなく振り返る。
明るい電飾の下。ルルーシュの顔がいつもより暗く見えるのは、私の気のせいだろうか。
しっとりと水気を含んだ髪から落ちる水滴が、床に水溜まりを作ってゆく。私は、ただそれを黙って目で追っていた。
キツい香水の匂いは、もうしない。