短編

□ヘタレ
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「へんなひと」
少女はまたこちらを向いた。その言葉とは裏腹に、彼女は微笑んでいた。
悪魔の笑みというのだろうか。
「わかりました。あなたの魂は死後もあなたのものです」
少女は歌うように言うと、暗がりに向かって消えていった。
私はようやく解放されて、ほっと息をついた。
夢か幻覚かはわからないが、とにかく自分の魂は守ったのだ。
悪い気分ではなかった。
私は再び帰路に就いた。
帰ったら寝る前にニュース番組くらいは見よう。
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