短い歌をうたう。
□7月7日 曇り空
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7月7日 曇り
今日は、どんより曇り空…
一面の灰色の空
こんな日は、織り姫と彦星は会えないんだろうな…
なんて昔、母さんが言ってた事を思い出してフッと笑いが込みあげてきた。
ザマァミロなんて悪役気取りで呟けば、虚しさが代わりばんこに込みあげる。
だって、俺の願いを叶えてくれない七夕なんて興味がない…
それに、おとぎ話だろうが神話だろうが空の上なんかでイチャつかれたらムカつくだけだから
今日は、良い気味だ。
なんて、灰色の空に真っ赤な舌を出しながら…
机の上には、空色の短冊に――
『俺の想いを叶えてください。』
なんて書いてるアホが独りベランダで空を見上げていた。
初めから無理な事なんだ…
天女と人間の身分や種族を超えた恋だろうが、俺からしたらただの男女の恋にしか見えない…
だから、悲恋の2人だろうがなんだろうが両想いで一年に一回でも逢えるんなら良いじゃないか…?