投稿紹介集
□流星
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星降る夜に
何を祈ろうー…
流星
「圭一?」
黙りこくって夜空を見上げていると、後ろから声がかかった。
「何か、考え事?」
「…あぁ、」
圭一は、振り返らず虚ろに返事を返した。
「むぅ…圭い「なぁ、悟史」
悟史が発言している途中で、圭一は悟史を呼んだ。
「今夜は、星が…綺麗だよな」
「……そう?」
窓の縁に手をつけて、圭一が見るように
悟史も夜空を見つめた。
「雛見沢に来る前は、ろくに空なんか見てなかった。
…東京では、いつも何かに追われてて…景色はくすんでたんだ」
「圭一……?」
悟史は、圭一が言いたいことがうまく掴めずに、戸惑う。
圭一が昔の事、東京での事を自分から話すなんて、
今までに一度も無かった。
「誰も、信じれる奴なんか居なかったんだ…周りに居るのは、友達のフリをした敵ばかりだった。」
夜空を見つめたまま、圭一は言った。
その瞳には、哀しく影がうつる。
そんな圭一に悟史は、相槌すら打てずにいた。
「そんな生活で、俺はすっかり自棄になって、…とんでもない過ちを犯しちまったんだ」
ここで、やっと
圭一は悟史を見た。
悟史は困ったような笑顔を浮かべる。
「でも…不謹慎だけどさ、それで雛見沢に来れたんだ。…そりゃぁ、反省はしてるぜ?でも、後悔とか、そんな気持ちじゃねぇんだ」