(ひぐらしのなく頃に)

  壱【女を甘く見るな GL編】


「鷹野さん」

 入江は病室の外で鷹野の名前を小声でコソリと呼んだ。

「此処に置いてあった桃色の錠剤シート、知りませんかねぇ」

「おかしいなぁ」

 ボソリと聞こえるか聞こえないかぐらいの大きさで入江は何かを探すようにしながら問いかけた。

「え・・・それなら先ほどこられた園崎さんに渡しましたけど」

 とぼけるようにして鷹野は首に手をやりながら入江に言う。

「えぇ゛!!!!!!」

  “園崎さんに頼まれていたのは風邪薬だったはず・・・風邪薬は減ってない!?此処にあるはずのものがなくて、ないはずのものがあるってことは・・・”

「見なかったことにしよう・・・。僕は何も悪くない、よし」

 静かに穏やかな顔をしながら入江はトンと薬箱を閉じた。


 そして薬を受け取った園崎詩音は小走りで帰っていると、前原圭一を発見して。

「圭ちゃーーーーん!!!」

 相手に飛びつくようにして詩音は微笑みながら相手の名前を呼んだ。

「・・・!?・・・し、詩音ッ?おどかすなよ」

 前原圭一は驚くような顔をして詩音の振り向いた。

「圭ちゃっ・・・ゴホッ・・・ゲッホッ」

 相手の名前をもう一度詩音は予防とすれば喉のそこからあるものが吹き飛びながら咳をした。

「し、詩音ッ?!大丈夫かッ??」

 咳をする詩音を圭一は見れば未だに驚いたような顔をしながら詩音の方に手をやった。

「そ、そうだ。圭ちゃんも・・・薬飲んだ方が良いよ、私の風邪がうつっちゃったら困るとおもうから」

 相手の返事を待たずに詩音は受け取った薬を圭一に渡して自分はサッとその場から立ち去る。

「ったく・・・薬は苦手なんだよなぁ・・・」

 呟きつつも前原圭一は家に戻って水と一緒に薬を飲み込んだ。


 その頃、丁度、詩音も家に着き自分も受け取った薬を飲み込んで。

「ふ・・ふぇっ?・・・なんですか・・・この薬・・・変な味・・・ 」

 1人でブツブツと詩音は呟きつつ。

「詩音ーーーー!!居るーーー?」

 突然と窓を叩いてくるのは園崎魅音。窓を開ければ大声で叫ぶ魅音の口をあわてて抑える詩音。

「ちょ・・・お姉ぇ、ど、どうしたんですかっ・・・?」

 それを言えばクラァと後ろに詩音は倒れこみ瞬間的に1秒も立たないときに起き上がれば魅音に顔を近づけた。

「あ・・お姉ぇ・・・好きです・・・」

 突然と口を押さえた瞬間に詩音はわけの分からないことを魅音の頬に口付けをしながら言えば顔を赤くした。

「しっ・・・詩音ッ!//////ど、どうしたのっ??」

 魅音はおどろきながらもパッと顔を離して口付けをされた箇所を片手で抑えれば顔を自分も赤くした。

「ふぇ?・・・お姉ぇは私のこと・・嫌いですかぁぁあ??」

 突然と泣き上戸になればウルと目に涙をためて魅音の前で泣き出す詩音。

「い・・・す、好きだけど・・・そういう“好き”じゃないって・・・詩音もわ、分かるよね?」

「ふぅぇえ。お姉ぇえーー」

 好きだと相手に言われればそのほかの言葉は無視して次は、相手の顔を引き寄せて魅音の唇と自分の唇を重ねた。

「ふ・・・ぇ・・・ひゃぁ」

 口付けをしたままで詩音は魅音の首元を小さく舐めれば相手の旨に手をやった。

「お姉ぇと私は結ばれる運命なんですね」

 目をうつむかせながら呟いて相手の胸に小さく触れればフッと小さく微笑みを見せた。

「さすがに、私もお姉ぇには負けますね」

「ふ、ぇ・・・?な、何がよっ」

 理解していない魅音を見れば詩音はクスリと笑い、魅音の手がいつの間にか自分、詩音の服の中を通り胸本体に手があることに気付き。

「なっ・・・!!!いつの間にっっ」

 そのまま詩音は自分の部屋へと魅音を連れ込めば、何もない地面に相手を押し倒した。

「し、詩音っ、どうしたのっ??今日はなんだか変だよっ?おじさん、なんかしたっっ?」

「お姉ぇも私とすることを望んでいたくせに・・可愛いですよ、お姉ぇ」

 バッと魅音は詩音の胸から手を離してその場から起き上がる。
が、起き上がる魅音を詩音は止めてそのまま自分も一緒に倒れれば丁度唇が重なり。

「ふっ・・・し・・・お、ん!」

「ふぇっ?お、お姉ぇッッッ???何してるんですかぁっっ?」

 グラァと先ほどのように一瞬後ろに倒れればまたもやすぐに起き上がって目をパチパチと瞬きをさせて魅音から離れた。

「詩音・・・よかった・・・」

 ギュゥと魅音はホッとすれば詩音を軽く抱きしめた。

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