神曲奏界ポリフォニカ〜手にした力の行方〜

□第一章
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シキ・サラサ。
彼女の事を良く知る人物は余り居ない。彼女自身が他人と関わり合おうとしないからだ。
簡単に、良く言えばクール、悪く言えば無愛想。
友達と呼べる者は居らず、休み時間はいつも話しかけるなオーラ全開で読書に没頭している。

「・・・・・・・・・・」

今日も一人読書をしている。
そんな彼女に話しかける。ある意味、勇者がいた。

「よ、何読んでんだ?」

サイキ・レンバルト
サラサの同級生であり。天才だ。

「・・・・・・・・・」

無視、正直に言ってサラサはこの男の事が嫌い―――ではなく、どうでもいい

確かに。才能を認め天才と呼ぶに相応しいと思うが、余り興味がわかない。

興味があると言えば。この男より、確か・・・・・タタラ・フォロンと言う男だ。彼は対照的に不器用で今のところ才能があるとは言えない。

まぁ、それもどうでもいい部類に入るが。

「おーい、聞こえてるかぁ?」

しつこい。

「・・・・・はぁ、何か用?」

読書に集中しきれないと、本を開けたまま顔だけを彼に向ける。

「試験の合格おめでとう!」

「・・・・・それだけ?」

元気な明るい声で言う彼とは対照的に、静かな冷たい声で返した。

「まぁ、それとなんで全然嬉しそうじゃないのはなんでかなぁと」

「一応、嬉しいわよ。ただ、それが表に出てないだけ。
そんな事より、貴方の友達を励ましてあげたら?落ちたんでしょ、彼」

「ん、フォロンか?
まぁ、あいつなら大丈夫だろ」

何故か自信たっぷりの表情に疑問を感じたが

訊く前に予鈴が鳴り響いた。


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