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□熟華想 2
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全てが終わった後に感じたのは、思い描いてたものとはあまりにもかけ離れていた。
残ったのは、乱れたベッドと初めて認識したあの特有の匂い。
虚無感と、それと少しの恐怖。
『熟華想』
「どちらにお出かけですか?本日のご予定に外出はお見受けしておりませんが」
少し、ほんの少し。
息抜きに出かけようとした所を見つかってしまった。
それも、今一番逢いたくない相手に。
「…ちょっと」
「ちょっと、とは?急を要さないのでしたら、私が…」
「どこでもいいでしょ?」
「そうは参りません」
「…っ」
ドアノブにかけた腕を、やんわりと白手袋に阻まれる。
「名無しさんお嬢様の動向は把握しておりませんと…」
なんで?
"心配、だから?"
それとも、
「あくまで、執事ですから」
ほら、またそうやって。
貴方は簡単に私を傷つける。