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□熟華想 3
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「お嬢様?」
「ねぇ、セバスチャン」
色欲にギラついた瞳に、写るのは悪魔。
「本当に、よろしいのですか?」
「……うん、」
「もう、後には戻れません。それでも…」
「いいの。大丈夫。…セバスチャン、お願い…」
「…かしこまりました、お嬢様」
その瞬間。
妖艶に笑った彼を見て理解した。
彼は、私を好きじゃない。
私を愛して、その胸に抱くわけじゃない。
それでも、その妖艶な笑みを綺麗だと思った。
例え一夜限りだとしても
"もしかしたら、"
足を開けば、少しでも彼の心が動くかもしれない。
そう、思った。
たとえ事務的に感じられた行為も
たとえ、事情の最中に名前を呼ばれなくても
たとえ、目覚めた時横に温もりを感じなくても
苦しいくらい、全身で。
勘違いをしてた。