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【in並盛中】


『いや、その…えーと、本当にすみませんでした』

ボクの目の前には雲雀恭弥が仁王立ちしている。中学内だけではなく並盛の町の風紀までも正そうとする風紀委員長は無表情でボクの正座姿をみている。
逃げ込んだ場所は応接室。まさかここが彼の城だとは思いもしなかった。

「咬み殺すのはあとにするよ」

『え、やっぱり咬み殺されるんすか…?』

正座で許してくれるのかと思いきやそんな気はさらさらないと彼は優雅に紅茶を飲む。
今まで気が付かなかったのだがよく見れば雲雀恭弥の顔は妙に整っていた。無愛想で少しも表情を崩さないのだが笑えばきっと今の何倍も人は彼に好感を持つことができると思う。

まあ優羽には勝てないけどね!
そんな失礼なことを思いながら正座させられていることも忘れ誇らしげに笑う。

「何にやついてるの気持ち悪い。君は誰だい?」

『ボクは珀槻雪兎ですけど気持ち悪いとは失敬な』

雲雀は何かを考えているようでさきほどから転入した際に学校側へ提出した資料を読んでいた。そして何度もボクの顔をみては眉を寄せる。
いったいこの男は何を考えているのだろうか。そんなにボクの顔が気に入らないのだろうか。

『なんも用がないなら居心地悪いんでそろそろ帰っていいですか?』

偽りだらけの資料を読み返したってボクのデータは取れないのだから。
それになぜリボーンがあのような場所にいたのかも調べたいのだ、是非とも退出したい。
期待のまなざしで彼を見たが彼は首を横に振った。

「ダメだよ、罰としてしばらく風紀委員の雑用をやってもらうから」

『そんなっ!ボクには帰りを待っている大切な人がいるのに!?』

ちょっと同情を誘ってみようかと思い声を荒げてみる。もちろん本当のことだから嘘はついていない。

「知らないよ。拒否したら咬み殺す」

『…偉そうに』

「何か言った?」

『いーえ何も』

そして晴れてボクは風紀委員の雑用となったのだった。



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