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『さ・わ・だ・くーん!』

「え!?雪兎君!?」

今日土曜日。優羽は調べることがあるらしく出掛けてしまい雪兎は並盛を彷徨いていた。
更に丁度いいところにボンゴレ10代目候補とその他皆さんを発見し今に至る。

「はひっ!この綺麗な人は誰ですか?」

初めて見る子だなーといっても日本に来たばかりの彼には一般人は全て初めてになる。
ポニーテールの彼女は雪兎を指差した。

『ボクは雪兎だよ』

自分のことなど綺麗なんて思っていないのでその言葉は聞き間違いなのだとスルーすることにした。

「雪兎君ですね!私は三浦ハルです!宜しくお願いします!!」

はきはきと自己紹介をし深々と頭を下げたハルは沢田の腕に抱きつく。沢田は必死になってハルを離そうとするが離れなかった。

「ちなみに将来の夢はツナさんのお嫁さんなんです!」

「ちょっハル!?」

「マフィアはモテモテなんだぞ」

そこに現れたのは赤ん坊だった。黒服を綺麗に着こなしているがやはり赤ん坊にスーツの組み合わせは違和感がある。

雪兎は突然の登場に驚きつつもリボーンに怪しまれないように笑った。

「おまえが雪兎だな?」

『そうだよ。てか沢田君の弟さん?』

なーんちゃって。とか心でつぶやいてみる。

「ちげーぞ、ツナの家庭教師だ……」

『どうかしたの?ボクの顔になにかついてる?』

リボーンが雪兎の顔を凝視する。

「ファミリーにならないか?」

「「!!?」」

耳を疑いそうになった。(なにこの軽いノリ!?)

突如の勧誘に沢田とハルは驚きを隠せない様子だ。
もちろん雪兎もまさかのことに多少驚いた

(…まさかボクがマフィアだと知っているの?)

「リボーン!雪兎君は一般人だよ!!?」

「オレが気に入った」

どうやらマフィアだとはバレていないようだが安心は出来そうもない。

『残念だけどボクはマフィアとか嫌いなんだ。遠慮するよ』

嘘はついていない。マフィアであってマフィアが大嫌いなのだから。
リボーンは諦めた様子は微塵もないらしく「絶対に入れる」と言っていた。

雪兎がボソッと『有り得ない』と言えば「どうかな」とリボーンが微かに微笑む。

(直感という奴かな?)

沢田はホッとしたように溜め息をついていたがどこか寂しそうだった。



ボクはこの時気づかなかった。
ファミリーと言ったがマフィアとは言っていないことに。
いつか後悔することになることにも微塵も気が付かなかった。




み〜どりたなびく〜♪並盛の〜♪


突如として流れ出した並中校歌。
いったい誰のところから聞こえてくるのかと誰もが思ったが雪兎はポケットから流れてくることに気づき慌てた

『……ボクか?』

(まさかのこのボク!?なんで校歌なの!?)

自分の携帯にメールがきていた。
着うたを並中校歌になんてするわけがない。雲雀の顔が浮かぶと同時にすぐに着信音を通常のものへと戻す。

メールの内容はもちろん雲雀からだった。

『…ほんとあの人って…』

「どうしたんですか雪兎君?」

『雲雀が雑用のくせにサボるなだってさ!誰が雑用だよ。せめて助手ってよんで欲しいよ』

「え!?雪兎君風紀委員なの!?」

雲雀からのメール内容は仕事があるから学校へこい、聞きたいこともあるというものだ。
せっかく休みだと言うのにえらく仕事熱心だ。
仕事しないくせに。

沢田達は雲雀と面識がある雪兎に驚いたようだったがリボーンは面白そうに笑っていた


『風紀委員じゃないよ。この前沢田達が気絶してたとき仕事を手伝うってことで許してもらったんだ』

「そ、そうなんだ…」

沢田は納得したようだった。

『じゃ、またなー』

そういって愛想笑いをしながら手を振ると照れくさそうに沢田は振り返した。

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