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外に出た優羽はひとり公園に来ていた。
公園に向かう間いろいろなことを考えた。

弟が家に人を招いたこと、しかも一般人ではなく観察対象のひとりである雲雀恭弥だということ。どういう心境の変化なのかと思ったがある赤ん坊の顔が浮かびあがり思わず笑った。

(雲雀恭弥…か)

木の下へ行き背を預けたあと、ポケットから小さなペンダントを取り出す。そこには写真がありふたりの幼い少年が写っている。

楽しそうに笑う少年と無表情でいる傷だらけの自分のツーショットだ。


いつのも間にか優羽の周りには雪が降り始めた。

季節外れの不自然に降る雪は次第に桜の花びらの形となり、まるで桜が散るように綺麗なものとなった。幻覚のそれを優羽は懐かしそうに見る。



君はどこにいるのだろうか

僕を覚えてくれているのだろうか



どうせ忘れてしまっているに違いない。あんな光景思い出さないほうが幸せなのだから。

優羽はペンダントをしまいどこかへと歩いていってしまった。

そして雪は霧となり静かに消えていった。


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